どこにもない国

1945年8月、満州で丸山邦雄は侵攻してきたソ連進駐軍にすべてを奪われる。敗戦の現実を目の当たりにした彼は、妻・真理子と子供たちをどう守ればいいのか途方に暮れる。略奪と財産の差し押さえは日常茶飯事。逃げる途中で多くの日本人が襲われる。さらに栄養不足と伝染病の蔓延により、死者が続出する。こうして、満州の日本人150万人が命を落とす。丸山は、日本への送還を祖国に訴えることを決意する。新保八郎、武藤正道とともに、満州脱出計画を練る。建設会社社長で大金持ちの新保、中国語が堪能で現地の事情に詳しい武藤、英語に強く確固たる信念を持つ丸山というドリームチームの誕生である。丸山の決断を支持する真理子だが、新保の妻・松は彼らの大胆な計画に不安を抱いていた。家族を残し、3人はついに脱出を開始する。果たして彼らは数々の危機を乗り越え、日本への道を見つけることができるのか？
~~ 原作：ポール・クニアキ・マラヤマ「満州からの脱出