夫と二人の息子に蔑まれ、それでも家族を守り続ける専業主婦・森村知美。46歳の誕生日、彼女は嫌気がさして家を飛び出し、1,200キロの旅に出る。初めて高速道路を走り、西へ西へと疾走する智美。その道中、彼女はトラウマになるようなエピソードに次々と遭遇する。夫の浮気が発覚し、トラック運転手から売春婦と間違われ、ついには車を盗まれる。途方に暮れる智美を、好青年と老人が車に乗せてくれ、彼女は長崎に到着する。原爆で荒れ地と化したこの街で様々な人々と出会ううちに、彼女は自分の中にある「荒野」を意識し、再生への道を探り始める。
~~ 原作は、桐野夏生の小説「だから私は」。