僕はどこから

竹内薫は特殊な能力を持つ青年である。他人の文章を書き写すだけで、その人の思考を体験することができるのだ。薫は、アルツハイマー病の母親と二人暮らし。作家を目指しているが、特殊な能力のため、自分の作品を書くことができない。病気の母の介護もあり、なかなか筆が進まない。そんなある日、母親が事故に遭う。
薫の前に現れたのは、同級生の藤原朋美。友美は若いヤクザで、薫にある提案をする。薫が誰かのために大学受験をし、その人が一流大学に入れば、大金を手にすることができるという取引だ。しかし、薫は思いがけないことに巻き込まれていく。