平民の李斯は、30歳になっても何も持っていなかった。彼は一人で秦にやってきて、苦難の末に死にかけた。その後、偶然にも秦の大宰相・呂布威の三千人の客の一人となった。秦王の旅行の際、勝手に首をはねられる危険を冒して秦王を面と向かって諌め、以来、秦王に目をつけられるようになった。以後、李斯は秦王の命を受けて、極めて地味な生活を送りながら、慎重に裏方に徹するようになった。その時々の政治状況を密かに観察し、様子を見て、秦王が六国を分け、権力を切り、軍事力を掌握し、一族を恫喝し、若者を一歩一歩権力の頂点に押し上げることを静かに援助した…。
秦の始皇帝という史上最強のボスに対峙し、呂布や頼といった強力なライバルと渡り合いながら、李斯は目立たないように、力を蓄え、知らず知らずのうちに大秦の決定打として台頭してきたのだ!
~~ ‾‾ 曹昇の同名小説を翻案したもの。