雪之丞変化

7歳の雪太郎の父と母を殺したのは、道部三才、川口屋、廣宮の3人の男たちである。雪太郎は大阪の歌舞伎座の役者、中村菊之丞の養子となり、育てられる。大人になった雪太郎は女形になる。雪之丞という芸名を名乗る。特に17〜18世紀の偉大な女形の多くがそうであったように、彼は女装をし、舞台の外でも女性の言葉や態度で振舞うのである。それから数年後、一座は江戸を訪れるが、そこには彼の両親を死に追いやった3人の男が住んでいた。雪之丞は様々な策略を弄して彼らを死に至らしめ、打ちひしがれて舞台を去り、行方知れずとなる。その様子を、長谷川演じるロビンフッドのような怪盗ヤミ太郎が冷静に観察し、辛辣なコメントを残していく。