1958年、戦後復興のシンボルであるテレビ塔の完成を目前に、地方から鈴木自動車に就職した女子高生・睦子。社長の鈴木則文との出会いに感動した睦子は、職場が東京の下町・雄飛にあるボロい自動車修理工場だと知り、愕然とする。
鈴木は気性が荒いが、睦子は妻の朋江と5歳の息子、一平に歓迎される。一平の行きつけは、売れない連載作家・茶川竜之介が経営する五円均一ショップ。ノーベル賞作家の大江健三郎など、いまや売れっ子の作家を過大評価する茶川は、SF小説を書きながら安物のおもちゃを売るだけのハッカーになりたいと思っている。
そんな中、新人のヒロミが酒場を開店し、ドラマチックなマンガスタイルでお客を集めるが、前の店主の遺児である淳之介と付き合うことになる。しかし、淳之介は酒に溺れ、ヒロミに惚れられ、その子を預けられることになる。