舞台は1958年の東京。鈴木則文は「鈴木オート」という小さな自動車整備工場を経営し、そこで働きながら愛する家族と暮らしている。ある日、彼は新入社員の星野睦子を連れて家に帰り、鈴木家に転がり込んでくる。しかし、睦子は鈴木オートが大きな会社だと思っていたので、この店の小ささにがっかりする。
一方、鈴木オートの向かいには茶川竜之介が一人暮らしをしている。茶川はパルプ・フィクションの作家で、生活のために駄菓子屋を営んでいる。そんな彼が、密かに想いを寄せる女性・石崎博美から、行き場のない少年・淳之介を預かってほしいと頼まれる。茶川は淳之介と一緒に暮らしたくないが、ヒロミのためならと承諾する。
しばらくして、二人の新住民は三丁目の仲良しコミュニティの一員となるが、淳之介の裕福な父・川渕康成が茶川のもとから息子を引き取りに現れ、ヒロミが突然姿を消したことから状況が一変する。