どんな未来が描けるのか?
中村祐太郎監督が最新作の冒頭で投げかけた問いかけは、互いに滲み合うような一連のヴィネットである。記憶か夢か?高校生のひかりは、友人の裕次郎とともに、情緒不安定な男・隆也と関わりを持つ。10数年後、彼らは20代になり、大晦日の夜を過ごしていた。ひかりは光太郎という恋人ができ、隆也は杏という若い女性と同棲している。一夜を共にしたことから喧嘩に発展し、実に奇妙な正月を迎えることになるのだが……。これらの体験をサーフィンしながら、想像なのかどうか疑っていくので、一筋縄ではいかないが、ラストの空気のような自由さと無限の可能性が心地よい。
(出典:OAFF)